第二種電気工事士技能試験では、出題される単線図から複線図を作成する能力が必要です。初めて勉強する方には難しく感じて感じてしまいますが、描き方の手順を覚えてしまえば簡単に複線図を作成することができます。
この記事では、第二種電気工事士技能試験を受ける方を対象に、アニメーションで複線図の描き方を解説します。今回は各機器を線で接続するまでを解説し、次の回で補助情報の記載や試験でのおすすめの描き方等を解説する予定です。
技能試験では単線図が出題される
第二種電気工事士技能試験では、あらかじめ13題の試験候補問題が公開され、本番ではそのうち1題を実際に施工します。この問題は単線図で与えられるため、施工には複線図にする必要があります。
候補問題は毎年ほとんど同じで、電気技術者試験センターが発行する受験案内に記載されます。2023年度(令和5年度)の候補問題が公表されていますので、確認しておきましょう。また、施工条件は当日まで公表されません。過去の試験問題に記載されているので確認しておくとよいですが、当日は若干変わる可能性があることを頭に入れておきましょう。
2021年度(令和3年度)の候補問題No.1は、下記の単線図です。これを複線図にしてみましょう。
用意するものは白紙とシャープペンシル。次回の記事で述べますがフリクションの消せるカラーボールペンか蛍光ペンなどのカラーも2色程度用意しておくのもおすすめです。
機器を並べる
まずは候補問題通りに機器を並べていきます。
- 電源はプラスを黒点●、マイナスを白点○の2つの点で表現します。
- 引掛けシーリング、ランプレセプタクル、蛍光灯は単線図の記号通り。
- スイッチは両側を黒点●でスイッチ記号を描きます。
- ホタルスイッチがあり、記号は上図の通りですが施工の際にランプ付きのスイッチを使えばよいだけなのであまり気にしなくて良いです。
- ジョイントボックスは中に配線接続を描くので大きめの○で表現します。上図では点線ですが、試験ではシャープペンシルで薄い丸を描くのた良いかとおもいます。
電源の接地側と機器を接続
機器を並べたらまず接地側の配線を繋いでいきましょう。電源からジョイントボックスへ、ジョイントボックスから機器へと線を繋ぎます。ジョイントボックス内では必ず線同士をリングスリーブか差し込みコネクタで接続するため、接続記号を黒丸●で表現します。
接地側の配線色は「白色」と決まっていますので、下図では青色で記載しています。実際の試験でもこのステップはフリクションカラーボールペンなどで色をつけておくと分かりやすいのでおすすめです。
電源の非接地側とスイッチを接続
非接地側はスイッチを介して電源と機器と接続します。まずは電源からスイッチまでを繋いでいきましょう。ポイントは、同じ箇所にある2連、3連スイッチはスイッチ間でわたり配線で接続することです。
スイッチと機器を接続
スイッチから機器までは接地側と同様に繋いでいけばよいです。
配線が繋がりました!
配線が接続され、ほぼ完成です。複線図を見慣れている方であればこのまま制作にかかってもよいかと思いますが、間違え防止のために下記情報を追記していきます。
- 機器側にプラス、マイナスの記号
- 配線の種類
- 配線の色
- ジョイントボックス内の各配線接続の本数
- 圧着端子の種類
次回の記事で複線図を完成させるまでを解説します。
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