第二種電気工事士技能試験では、出題される単線図から複線図を作成する能力が必要です。初めて勉強する方には難しく感じて感じてしまいますが、描き方の手順を覚えてしまえば簡単に複線図を作成することができます。
前回候補問題No.1の解説記事を掲載しましたが、今回は候補問題No.2について解説したいと思います。
候補問題No.2
では、候補問題No.2を見てみましょう。
ぱっと見、あっさりしていますね。比較的シンプルでこの問題が出題された場合はラッキーじゃないでしょうか。
ポイントは3点あります。
- 1つのスイッチ「イ」で、2つのランプを点滅させる。
- コンセントが2ヶ所に分かれており、コンセント同士をケーブルでつなぐ。
- 常時点灯の確認表示灯(パイロットランプ)がある。
1, 2 はそれほど難しいことはありませんが、3 の確認表示灯は配線のつなぎ方で常時点灯、同時点滅、異時点滅と3種類あり、ややこしいです。その中で常時点灯は、スイッチの状態に関わらず常にプラスとマイナスを繋いでおけばよいだけなのでそこを押さえれば簡単です。
では、複線図を作成していきましょう。
機器を並べる
まずは機器を並べていきましょう。電源はマイナスを白丸○、プラスを黒丸●で記載します。両側を白点○でスイッチ記号を描きます。ジョイントボックスは大きめの丸で描きましょう。下図では点線で書いていますが、試験ではシャープペンシルで薄く描けばよいかと思います。
電源のマイナスと機器を接続
スイッチ以外の機器にマイナス側の配線を繋いでいきましょう。電源からジョイントボックスへ、ジョイントボックスから機器へと線を繋ぎます。2ヶ所あるコンセントは、コンセント同士を直列に繋いていけるため、候補問題の図の通りコンセント同士を繋ぎましょう。ジョイントボックス内では必ず線同士をリングスリーブか差し込みコネクタで接続するため、接続記号を黒丸●で表現します。
マイナス側の線を青色で書いていますが、マイナス線はこの時点で決まるため、フリクションなどの消せるカラーボールペンで描いてしまうのがおすすめです。
確認表示灯への線はまだ描いていません。今回は常時点灯なのでこの時点でマイナスを繋いでもよいですが、同時点滅、異時点滅はややこしいので最後に残しておきます。
電源のプラスとコンセント、スイッチを接続
プラス側は、コンセントとスイッチに接続します。コンセント以外の機器は、スイッチを介して接続されます。例外が確認表示灯ですが、ここでは飛ばします。
スイッチと機器を接続
スイッチから機器へプラスの線を接続します。「イ」のスイッチから、「イ」のランプレセプタクル2ヶ所へ繋げるため、途中のジョイントボックスで分岐します。
確認表示灯(パイロットランプ)の接続
ここまできたらもう一息、最後に確認表示灯を接続しましょう。今回は「常時点灯」です。常時点灯とは、スイッチの状態に関わらず常に点灯しているということで、プラスとマイナスがスイッチを介さずに常に確認表示灯に繋がるようにすれば良いです。
レセプタクルランプなどの他の機器と同じようにまず電源から接地側(マイナス側)を接続します。非接地側(プラス側)も同様ですが、スイッチと確認表示灯が連用取付枠に取り付けられているため、わたり配線で繋げることになります。
完成
線はすべて繋がりました。このあとの制作作業のために必要な情報を書き込んで完成です。
ジョイントボックス間、スイッチとジョイントボックス間の線が3本あります。マイナスは白(図では青)で決まりですがのこりプラス側のどちらかを赤にする必要があります。試験では「施工条件」に指示されていることがあるため、よく「施工条件」を読みましょう。2022年度(令和4年度)下期の出題では、電源から点滅機、パイロットランプ及びコンセントまでの非接地側電線には、すべて黒色を使用する。と指示がありましたので下記のように色分けされます。また、わたり配線も施工条件で黒色に指定されています。
その他、ケーブルの種類は基本VVF 1.6なのでこれは省略し、それ以外のVVF 2.0-2Cを記載しておきます。
ジョイント部の線の本数と使うスリーブの種類も記入しておくとよいでしょう。スリーブを使うか、差込式コネクタを使うかも施工条件で指示されます。
まとめ
第二種電気工事士技能試験の候補問題No.2の複線図は比較的シンプルで大きく悩むところは無いので当日出される施工条件をよく読んで落ち着いて解きましょう。確認表示灯(パイロットランプ)については、常時点灯、同時点滅、異時点滅をしっかり理解しておく必要がありますが別途記事で解説したいと思います。
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