第二種電気工事士技能試験、候補問題No.6の複線図を解説します。
候補問題No.6のポイントは3路スイッチです。3路スイッチを2個使い、どちらのスイッチを操作しても引掛けシーリングを点滅できる回路にする必要があり、候補問題13問の中では比較的複雑で難易度の高い問題と言えるでしょう。3路スイッチの仕組みと回路をしっかり覚えておく必要があります。
候補問題No.6
では、候補問題No.6を見てみましょう。
電源は、一般的な単相100Vです。3路スイッチが2個あり、両方とも「イ」の記号が付与され、スイッチに対応した引掛けシーリング「イ」が2個あります。このことから、3路スイッチ「イ」のどちらかを操作したら2個の引掛けシーリング「イ」が点滅する回路だとわかります。
コンセントが1つあり、露出形コンセントですが複線図としては連用取付枠に取り付けるコンセントと同じです。
機器を並べる
まずは機器を並べていきます。電源、引掛けシーリング、コンセントを記入します。これらは特に注意する点は無いですね。
3路スイッチは文字通り接続が3箇所あるスイッチです。0番に接続した先を1番か2番に切り替えるスイッチです。この回路の場合、2つの3路スイッチの1番、2番をお互いに接続するのでお互いの1番、2番が向き合うように描いておくと配線図がきれいに見やすくなります。
ジョイントボックスは大きめの丸で描きましょう。下図では点線で書いていますが、試験ではシャープペンシルで薄く描けばよいかと思います。
電源のマイナスと機器を接続
スイッチ以外の機器にマイナス側の配線を繋いでいきましょう。電源からジョイントボックスへ、ジョイントボックスからコンセント、引掛けシーリングへ線を繋ぎます。ジョイントボックス内では必ず線同士をリングスリーブか差し込みコネクタで接続するため、接続記号を青丸●で表現します。
マイナス側の線を青色で書いていますが、マイナス線はこの時点で決まるため、フリクションなどの消せるカラーボールペンで描いてしまうのがおすすめです。
電源のプラスとコンセント、3路スイッチの0番を接続
プラス側は、コンセントとスイッチに接続します。コンセントはそのまま接続するだけです。3路スイッチは、電源と0番を接続します。どちらのスイッチの0番に接続しても動作は同じですが、普通は近い方(「S」記号のある方)に接続するでしょう。施工条件にも「電源から3路スイッチS・・・すべて黒色を使用する」と記載があり、暗黙に電源と「S」記号の3路スイッチを接続するように受け取れます。電源と遠い方の3路スイッチを接続する場合、電線の数が多くなり支給されたケーブルでは足らなくなります。
もう片方の3路スイッチの0番と機器を接続
通常の単極スイッチでは、電源と片側の接点を繋いだあと、もう片側を引掛けシーリング等の機器と接続しますが今回は3路スイッチ2個です。最終的に電源と接続した3路スイッチとは別の3路スイッチの0番から+電源が供給されるため、電源側と別の3路スイッチ(図の左側の3路スイッチ)から引掛けシーリング2個に線を接続します。
3路スイッチの1,2番同士を接続
最後に3路スイッチ同士を接続します。お互いの1番と2番は、「1-1、2-2」と接続しても「1-2、2-1」のように接続しても同じ動作をするのでどちらでも問題ありません。ここでは図を見やすくするため「1-1、2-2」を接続しました。
完成
線はすべて繋がりました。このあとの制作作業のために必要な情報を書き込んで完成です。
まずは決まっていない線の色を決めます。ジョイントボックスAと3路スイッチ間、ジョイントボックスBと3路スイッチ間、ジョイントボックスAB間が3本の線で接続されVVF1.6-3Cを使用することになります。施工条件(令和3年度下期試験)には「電源からの接地側電線にはすべて白色を使用する」、「電源から3路スイッチS及び露出形コンセントまでの非接地側電線には、全て黒色を使用する。」と指示があるのでこれらの線の色は決まります。残りの灰色○で囲まれた3色のうち、残りのどの色を使っても良いことになります。ここでは、3路スイッチの1番からジョイントボックスまでを白(青)、3路スイッチの2番からジョイントボックスまで、2番の先のジョイントボックス間を赤色にしました。
ジョイントボックス内のジョイント部は線の本数を記入しておきます。令和3年度下期試験では、ジョイントボックスAが差込形コネクタ、ジョイントボックスBがリングスリーブです。リングスリーブはVVF2.0とVVF1.6の接続は「小」の刻印、VVF1.6同士2本の接続は「○」の刻印です。
まとめ
第二種電気工事士技能試験の候補問題No.6の複線図は3路スイッチの回路が複雑で難しい問題ですが、候補問題No.6のこのパターンと、候補問題No.7の4路スイッチを組み合わせたパターン2種類しか出題されないため、一度理解して覚えておけば確実に対処できるようになるはずです。
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