第二種電気工事士技能試験、候補問題No.7の複線図を解説します。
候補問題No.7のポイントは4路スイッチです。3路スイッチを2個と4路スイッチ1個を組み合わせて使い、どのスイッチを操作してもランプレセプタクルを点滅できる回路にします。候補問題13問の中では比較的複雑で難易度の高い問題と言えるでしょう。
候補問題No.7
では、候補問題No.7を見てみましょう。
電源は単相100Vです。3路スイッチが2個と4路スイッチが1個あり、すべて「イ」の記号が付与されています。スイッチに対応したランプレセプタクル「イ」が2個あります。配線方法は施工条件に「3路スイッチをそれぞれ操作することによりランプレセプタクルを点滅できるようにする。」とあります。4路スイッチを使う問題はこの候補問題No.7のみでこのパターンのみ覚えておけば大丈夫です。
スイッチ「イ」とランプレセプタクル「イ」以外の機器は無いため4路スイッチさえ押さえればシンプルな問題と見ることもできます。
機器を並べる
まずは機器を並べていきます。電源、ランプレセプタクル記入します。
3路スイッチは文字通り接続が3箇所あるスイッチです。0番に接続した先を1番か2番に切り替えるスイッチです。この回路の場合、2つの3路スイッチの1番、2番をお互いに接続するのでお互いの1番、2番が向き合うように描いておくと配線図がきれいに見やすくなります。
4路スイッチは接続が4箇所あります。=と×を切り替えるスイッチで3路スイッチ2個の間に挟むことで3路スイッチ、4路スイッチどれを操作してもランプレセプタクルを点滅できます。
ジョイントボックスは大きめの丸で描きましょう。下図では点線で書いていますが、試験ではシャープペンシルで薄く描けばよいかと思います。ジョイントボックスBは、この問題ではアウトレットボックスが支給されるため□で描いていますが複線図としては変わりありません。
電源のマイナスと機器を接続
スイッチ以外の機器にマイナス側の配線を繋いでいきましょう。電源からジョイントボックスへ、ジョイントボックスからランプレセプタクルへ線を繋ぎます。ジョイントボックス内では必ず線同士をリングスリーブか差し込みコネクタで接続するため、接続記号を青丸●で表現します。マイナス側の線を青色で書いていますが、マイナス線はこの時点で決まるため、フリクションなどの消せるカラーボールペンで描いてしまうのがおすすめです。
電源のプラスと3路スイッチの0番を接続
プラス側は、コンセントとスイッチに接続します。コンセントはそのまま接続するだけです。3路スイッチは、電源と0番を接続します。どちらのスイッチの0番に接続しても動作は同じですが、普通は近い方(「S」記号のある方)に接続するでしょう。施工条件にも「電源から3路スイッチS・・・すべて黒色を使用する」と記載があり、暗黙に電源と「S」記号の3路スイッチを接続するように受け取れます。電源と遠い方の3路スイッチを接続する場合、電線の数が多くなり支給されたケーブルでは足らなくなります。
3路スイッチと4路スイッチ間を接続
通常の単極スイッチでは、電源と片側の接点を繋いだあと、もう片側を引掛けシーリング等の機器と接続しますが今回は3路スイッチと4路スイッチに線を繋いでいきます。
繋ぎ方ですが、結論としては左の3路スイッチの1,2を4路スイッチの左側(1,3)へ、右の3路スイッチの1,2を4路スイッチの右側(2,4)へ繋げば良いです。どうしてこうなるかは繋いだあとにそれぞれの3路スイッチ、4路スイッチを切り替えてみれば分かりますがこのパターンだけなので覚えてしまってもよいでしょう。
もう片方の3路スイッチの0番とランプレセプタクルを接続
3路スイッチのもう片側の0番をランプレセプタクルに接続します。ランプレセプタクルは2個あるので一度ジョイントボックスBへ線を持っていき、分岐させてそれぞれへ接続します。
完成
線はすべて繋がりました。このあとの制作作業のために必要な情報を書き込んで完成です。
まずは決まっていない線の色を決めます。3路スイッチSの0番は施工条件で黒色に決まります。残り3路スイッチと4路スイッチ間の線の色が決まっていませんので2芯ケーブル、3芯ケーブルの線の色を好きなように割り当てて構いません。今回は下図のように色を割り当てました。
ジョイントボックス内のジョイント部は線の本数を記入しておきます。令和3年度下期試験では、ジョイントボックスAがリングスリーブ、ジョイントボックスBが差込形コネクタでした。リングスリーブはVVF2.0とVVF1.6の接続は「小」の刻印、VVF1.6同士2本の接続は「○」の刻印です。
まとめ
第二種電気工事士技能試験の候補問題No.7の複線図は3路スイッチと4路スイッチを組み合わせる回路が難しいですが、4路スイッチはこの問題しか出題されないためしっかりと覚えておけば確実に解ける問題です。
関連記事
【第二種電気工事士】複線図の作成−候補問題No.8
第二種電気工事士技能試験、候補問題No.8の複線図を解説します。 ...
【第二種電気工事士】複線図の作成−候補問題No.6
第二種電気工事士技能試験、候補問題No.6の複線図を解説します。 ...
2023年版(令和5年度) 第二種電気工事士 技能試験 (実技試験) 対策とおすすめの工具など
第二種電気工事士技能試験(実技)の対策と受けてみた感想について書いていきます。申し込み、筆記試験な ...
【第二種電気工事士】複線図の描き方をアニメーションで理解!−候補問題No.1
第二種電気工事士技能試験では、出題される単線図から複線図を作成する能力が必要です。初めて ...
【第二種電気工事士】VVRケーブルの剥き方 5つの方法を試してみた結果は!?
第二種電気工事士の技能(実技)試験で扱うケーブルの多くはVVFケーブルです。VVFケーブルは、ケー ...
0 件のコメント:
コメントを投稿