【第二種電気工事士】複線図の作成−候補問題No.8

2022年7月30日土曜日

技能試験 候補問題 第二種電気工事士 複線図

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第二種電気工事士技能試験、候補問題No.8の複線図を解説します。

候補問題No.8のポイントはリモコンリレーです。リモコンスイッチを操作することでリレーがON/OFFして機器を点滅させます。一見複雑な単線図で身構えてしまいますが、リモコンリレーは端子台で代用され、通常の方切りスイッチだと思えばよいので実は簡単な問題です。

候補問題No.8

では、候補問題No.8を見てみましょう。

電源は単相100Vです。見慣れない▲の並んだ記号がリモコンリレーです。3連のリモコンリレーで、左にある●R記号のリモコンスイッチを操作することでON/OFFします。

リモコンリレーの左側は3連のリモコンスイッチがあり、さらに左にはTR記号のリモコントランスがあり、100V電源からリモコンスイッチ用に24Vに電圧を落としています。100V電源から引掛けシーリングなど各機器に供給される線とリモコンスイッチ用の線に分かれており、それぞれにブレーカーがついています。

リモコンリレーの左側は上述のようにごちゃごちゃしていますが、「施工省略」なので複線図には出てきません。リモコンリレーは試験ではただの端子台です。

この問題は、赤字のリモコンスイッチへのケーブルが「VVF1.6-2C×3」の場合と、「VVF1.6-2C×2」2種類のパターンが想定されます。以下、「VVF1.6-2C×3」の場合を解説し、最後に「VVF1.6-2C×2」の場合の複線図を記載します。

機器を並べる

まずは機器を並べていきます。電源、リモコンスイッチ、その他機器を記入します。

リモコンリレーはイ、ロ、ハそれぞれ+、−の計6個の端子になります。通常のスイッチ同様にONで+と−が繋がり、OFFで切れます。ON/OFFはリモコンスイッチで操作しますが施工省略なので単純に6個の端子をもつ端子台になります。

ジョイントボックスは、この問題ではアウトレットボックスが支給されるため□で描いています。この問題はジョイントボックスが1個で中がごちゃごちゃするので大きめに描いておきましょう。

電源のマイナスと機器を接続

スイッチ以外の機器にマイナス側の配線を繋いでいきましょう。電源からジョイントボックスへ、ジョイントボックスからイロハの機器へ分岐してそれぞれ繋ぎます。ジョイントボックス内では必ず線同士をリングスリーブか差し込みコネクタで接続するため、接続記号を青丸●で表現します。マイナス側の線を青色で書いていますが、マイナス線はこの時点で決まるため、フリクションなどの消せるカラーボールペンで描いてしまうのがおすすめです。

電源のプラスとリモコンリレーを接続

電源のプラス側は、通常コンセントとスイッチに接続します。今回はコンセントは無く、スイッチに相当するものはリモコンリレーになりますので、電源からジョイントボックスへ、ジョイントボックスからリモコンリレーのイロハにそれぞれ分岐して接続します。

リモコンリレーと機器間を接続

リモコンリレーからイロハそれぞれの機器へジョイントボックスを経由して繋いでいきます。方切りスイッチの場合と全く同じ考えですね。

完成

線はすべて繋がりました。複雑な単線図でしたが複線図はあっけなく完成です。このあとの制作作業のために必要な情報を書き込んで完成です。

まずは決まっていない線の色を決めます。3路スイッチSの0番は施工条件で黒色に決まります。施工条件で電源からリモコンリレーまでは黒色が指定されているため、リモコンリレーから機器側への線を白(図では青)にします。

ジョイントボックス内ジョイント部の線の本数、リングスリーブの刻印を記入します。VVF1.6-2C以外のケーブル、電源からジョイントボックスまでのVVF2.0-2Cも記入しておきますと施工の際に便利です。

もう1つのパターン

始めにこの問題は2つのパターンが想定されると書きましたが、電源からリモコンリレーへのケーブルが「VVF1.6-2C×2」の場合について解説します。

上の例ではリモコンリレーの端子は6個なので2芯ケーブル3本で繋ぎました。今回は端子が6個なのに2芯ケーブル2本です。この場合は、3連スイッチをイメージすればわかると思いますが、電源側のイロハ間をわたり線で繋ぐことで線を2本減らすことができます。複線図は下記のようになります。リモコンリレーから出る線が4本になりましたね。

まとめ

第二種電気工事士技能試験の候補問題No.8の複線図は、リモコンリレーが特徴ですが普通の方切りスイッチと思えば非常に簡単な問題です。イロハの電源側をそれぞれ独立した線とするかわたり線で繋ぐかは施工条件をよく読んで間違えないようにしましょう。

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